【禁酒日記】1ヶ月間(30日間)続けたダイエット効果や体重変化

鏡の前でお腹を気にしながら見つめる黒いTシャツの男性の姿 健康
鏡の前で自分の体型を気にする男性の様子

はじめに:30日間の挑戦

「このまま飲み続けていたら、本当に体が壊れるかもしれない」
そんな不安が頭をよぎったのが、禁酒を決意したきっかけでした。

きっかけは些細なことでした。夜、鏡の前に立ったとき、少しずつ膨らんできたお腹が目に入りました。アルコールは1gあたり7kcalと高カロリーで、栄養素をほとんど含まない「エンプティカロリー」です。[1] 知らず知らずのうちに摂取カロリーが増え、それが体型に表れていたのです。以前はすんなり履けていたジーンズも、今ではウエストがきつく、ボタンを留めるのにひと苦労。さらに、アルコールは睡眠の質を低下させるため[2]、朝の目覚めは重く、体が鉛のようにだるい。気づけば、週末だけのつもりだった晩酌が、毎日のルーティンになっていました。

「1ヶ月だけでいいから、完全にお酒をやめてみよう」
そう決めた瞬間、正直ワクワクと不安が入り混じっていました。果たして自分にできるのか。飲み会の誘いをどう断るのか。お酒のない夜をどう過ごせばいいのか。想像しただけで心細さを感じました。

でも同時に、もし30日間を乗り越えられたら──体重はどう変わるのか、肌の調子は良くなるのか、気分は晴れやかになるのか。その未知の変化に対する期待もありました。

挑戦を始めたその日から、冷蔵庫にはビールの代わりに炭酸水を並べました。炭酸のシュワっとした感覚で、なんとか「飲んだ気」を演出しながら。毎晩の楽しみを自分なりに置き換え、手探りで新しい生活を作っていく30日間が、ここからスタートしました。

禁酒初日~3日間:強烈な欲望と頭痛

禁酒を始めた初日は、「よし、やってやるぞ!」と気合いが入っていました。冷蔵庫のビールをすべて処分し、代わりに炭酸水をストック。仕事を終えて家に帰り、いつもなら缶をプシュッと開けるタイミングで炭酸水のボトルキャップをひねったのですが──正直、あの“開けた瞬間の幸福感”はありませんでした。口の中で広がるのは爽快さだけで、アルコールがもたらしてくれていた「ふわっとした解放感」がなく、妙に物足りない気持ちが残りました。

2日目になると、体がアルコールを欲しているのがはっきり分かりました。これは、日常的に摂取していたアルコールが体内から抜けることで生じるアルコール離脱症状(禁断症状)の一種です。[3] 頭の中で「今日くらいはいいんじゃない?」という声が何度もこだまして、コンビニの前を通るたびに足が自然と止まってしまうんです。買わないと決めていたのに、冷蔵ケースに並ぶビールやハイボール缶を見た瞬間、喉がカラカラになるような感覚に襲われました。その夜はなかなか寝付けず、布団の中で何度も寝返りを打ちました。

3日目には、いよいよ離脱症状の典型である頭痛とだるさがやってきました。これらの症状は、断酒後数時間から始まり、2〜3日でピークに達することが多いとされています。[4] 仕事中も集中力が続かず、パソコンの画面を見つめていても頭が重くて、ため息ばかり。昼休みに同僚が「昨日飲みすぎてさ~」なんて話しているのを聞くだけで、妙に羨ましさと苛立ちが入り混じった感情がこみ上げてきました。

ただ、この3日間を乗り越えた時点で、「ここを我慢できれば、もしかしたら自分は変われるかもしれない」という小さな手応えも感じました。欲望や頭痛と格闘しながらも、一滴もお酒を口にしなかった自分に、ほんの少し誇らしい気持ちが芽生えたんです。

1週間経過:睡眠の深まりと、イライラ

禁酒を始めて1週間が経った頃、最初に大きく感じたのは「睡眠の質の変化」でした。これまで飲酒後は寝つきが良いと感じていましたが、実際にはアルコールがレム睡眠(体を休ませ、記憶を整理する浅い眠り)を抑制し、睡眠全体の質を悪化させていました。[2] 夜中に何度も目が覚めては喉が渇き、水を飲んでまた寝直す…という浅い眠りの繰り返しでした。

ところが禁酒を続けるうちに、睡眠サイクルが正常化し、夜中に目を覚ます回数が減り、朝までぐっすり眠れる日が増えてきたんです。朝の目覚めが以前よりスッキリして、体の重さが少しずつ取れていくのを実感しました。

一方で、感情面ではまだ厄介な変化が続いていました。特に仕事帰りや夕食後、ふとした瞬間に襲ってくる「イライラ」です。これもまた離脱症状の一つであり、アルコールによって抑制されていた神経活動が過敏になることで生じます。[3]

飲んでいた頃なら缶ビールをプシュッと開けて一気に気分を切り替えられていたのに、その逃げ道がない。無意識にスマホをいじったり、間食に手を伸ばしたりして、心のざわつきを誤魔化そうとしている自分に気づきました。

正直、「なんでこんなにイライラしているんだろう?」と自分でも驚きました。些細なことでカッとなったり、周囲の人の言葉に過敏に反応してしまったり。禁酒して健康になりたいはずなのに、心が安定しないことで逆にストレスを感じてしまうのは皮肉でした。

それでも、寝起きの爽快感や肌の調子の変化が小さなご褒美になってくれていました。鏡を見ると顔色がほんのり明るくなった気がして、「よし、この調子で続けてみよう」と思える瞬間がある。イライラと爽快感の間を行ったり来たりしながらも、禁酒生活の効果を少しずつ実感し始めたのが、この1週間のリアルな心境でした。

2週間目の変化:空腹の誤魔化し方

禁酒を始めて2週間が経つ頃、ようやく数字として変化が見え始めました。体重計に乗ると、最初の1週間ではほとんど変化がなかったのに、この頃から1キロ弱ほど落ちていたんです。これは、アルコール自体のカロリー摂取がなくなったことに加え、アルコールによる食欲増進効果がなくなったことも一因です。[5] 「あれ?ちょっとお腹周りが軽くなったかも?」と鏡を見ながらニヤリとした瞬間は、小さな達成感を覚えました。

ただ、その一方で困ったのは「食欲」でした。お酒を飲んでいた頃はアルコールで満腹中枢が麻痺し、つい食べ過ぎてしまう傾向がありましたが[5]、禁酒してからは逆に、夕食後に「なんかまだ食べたい」という気持ちが強く出るようになったんです。

これは飲酒の習慣が口寂しさや心理的な欲求に置き換わった可能性が考えられます。特に甘いものやスナック菓子に手が伸びそうになり、正直これはこれでダイエット的には危険でした。

そこで、自分なりに工夫を始めました。まず取り入れたのが「炭酸水+氷」で、これを夜にたっぷり飲むとお腹が膨れて食欲が少し落ち着く。さらに、ナッツやゆで卵を常備して「どうしても何か食べたい時の保険」にしました。最初は「これで満足できるわけない」と思っていたのですが、不思議と習慣にしていくうちに気持ちが落ち着くようになりました。

とはいえ、完全に空腹をごまかせるわけではなく、夜のコンビニの明かりに吸い寄せられそうになる日もありました。レジ横の唐揚げやホットスナックの誘惑に打ち勝って家に帰ったときは、まるで自分にご褒美をあげたような達成感がありました。

この2週間目は、体重の減少という目に見える成果と、食欲との格闘が同時にやってきた時期でした。まだまだ「快適」とは言えませんが、少しずつ生活が禁酒モードにシフトしていく手応えを感じ始めたのも、この頃だったと思います。

3週間目:飲み会の誘い

禁酒生活も3週間目に入ると、体調の変化は確実に感じられるようになっていました。朝の目覚めは軽く、頭のもやもやも減ってきて、「やっぱり禁酒って効果あるんだな」と実感できる毎日。でも、この時期に最大の試練が訪れました。友人から届いた一通のLINE──「久々に飲みに行かない?」。

正直、そのメッセージを見た瞬間、心がグラッと揺れました。3週間頑張ってきた自分に、「ここまで我慢したんだから、たまにはいいじゃないか」という甘い声が頭の中で響きました。頭では「一度でも飲んだらリセットだ」と分かっているのに、心は「久しぶりにみんなと騒ぎたい」と強く求めていました。

その日の仕事帰り、集合場所近くの居酒屋の明かりがやけに眩しく見えました。暖簾をくぐれば、あの懐かしい笑い声とグラスの音が待っている。想像するだけで胸が熱くなる反面、「ここで飲んだら全部水の泡だぞ」と自分を叱りつける声も止まりません。

結局、私は飲み会に顔だけ出して、ウーロン茶を片手に参加しました。最初は「え?飲まないの?」と驚かれたり茶化されたりしましたが、30分もすればみんなも気にしなくなり、普通に会話を楽しめました。もちろん内心は、テーブルに並ぶビールジョッキやハイボールの氷が光るのを横目に、何度も唾を飲み込みましたけど…。

その夜、帰り道は妙な達成感で胸がいっぱいでした。「飲まなくても、ちゃんと楽しめるんだ」という発見と、「欲望に勝てた」という誇りが入り混じった、不思議な感覚。3週間目のこの壁を越えたことで、自分の中で禁酒が「ただの挑戦」から「新しい習慣」に変わり始めた気がしました。

28日目:体型の変化と心の軽さ

禁酒を始めて4週間が過ぎた頃、鏡に映る自分の姿が少し違って見えました。毎朝なんとなくチェックしていたお腹まわりが、ほんの少しスッキリしているんです。ベルトの穴を一つ縮められた時は「おお!」と声が漏れるくらい嬉しくて、数字以上に体型の変化を実感できました。

さらに驚いたのは、気持ちの軽さです。以前は「飲まないと1日が終わらない」と思っていたのに、今では炭酸水や温かいお茶で十分に満たされている。夜の時間をシラフで過ごすことで、だらだらと動画を見続けたり、翌朝に後悔したりすることが減り、代わりに読書や軽い運動に時間を使えるようになりました。

アルコールをやめることで、抑うつ気分や不安感が落ち着き、精神的に安定することが報告されています。[6] その積み重ねが、「自分は少しずつ変われている」という自信に繋がったんです。

もちろん、全てが順風満帆ではありません。飲みたい気持ちがゼロになったわけではなく、居酒屋の前を通ると今でも心がざわつきます。ただ、その衝動に振り回される時間が減り、「飲まなくても大丈夫」と思える瞬間が確実に増えてきました。

28日目を迎えた今、数字以上に大きな収穫は「心の軽さ」でした。酔いに頼らず過ごせる自分を少し誇らしく思えたことが、これから先の生活に対しても前向きな力になっていると実感しています。

30日間の成果:体重・体脂肪の数値

ついに迎えた30日目。禁酒を始めた時は「長い戦いになりそうだ」と身構えていましたが、終わってみれば、あっという間に1ヶ月が過ぎていました。そして何よりも嬉しかったのは、数値として現れた変化でした。

体重計に乗ると、スタート時からマイナス2.8kg。体脂肪率も2%ほど減っていました。数字だけ見ると「劇的な変化」とまではいかないかもしれませんが、鏡に映る自分は確実に違っていました。お腹まわりの張りが少し和らぎ、フェイスラインも心なしかシャープに。友人から「痩せた?」と声をかけられた時は、思わずニヤけてしまいました。

ビフォーアフターの写真を比べてみると、特に夜のお酒によるむくみが取れているのがはっきり分かりました。アルコールには利尿作用があるため体は水分不足に陥りやすく、それを補おうと水分を溜め込むことでむくみが生じます。[7] 飲んでいた頃は翌朝の顔がパンパンで目も腫れぼったかったのですが、禁酒後は朝からスッキリした顔で出勤できるようになり、自分でも鏡を見るのが楽しくなったほどです。

精神面の変化も見逃せません。イライラや欲望に振り回されていた最初の頃と比べて、今は感情の波が穏やかになり、仕事にも集中できるようになりました。何より、「お酒を飲まなくても1日を楽しめる」という新しい自信が手に入ったのは、数値以上に大きな成果でした。

30日間を通じて得たのは、体重や体脂肪の減少だけでなく、生活習慣そのものの改善でした。飲みたくて仕方なかった自分が、今では「飲まなくても大丈夫」と思えるようになった。このリアルなビフォーアフターこそ、禁酒チャレンジをやってよかったと思える最大の成果でした。

禁酒がもたらしたダイエット効果と生活習慣の改善

30日間の禁酒を通して一番強く感じたのは、「お酒をやめるだけでここまで生活が変わるのか」という驚きでした。ダイエット効果はもちろんですが、それ以上に日々の習慣そのものが少しずつ整っていったのが大きな収穫です。

まず、体型の変化。お酒を飲んでいた頃は、アルコールによって判断力が低下し、つい夜食に手が伸びたり、シメのラーメンを食べてしまったりすることが多かったのですが、それが一切なくなりました。結果的に余分なカロリーを摂らなくなり、自然と体重が落ちていったんです。[5] しかもアルコール摂取によるむくみが解消され、見た目の変化は数字以上に大きく感じられました。[7]

次に、睡眠と朝の習慣です。禁酒を始めてから夜中に目覚めることが減り、ぐっすり眠れるようになりました。そのおかげで朝の目覚めが快適になり、朝食をしっかり摂ったり、軽くストレッチをしたりと、以前は考えられなかった健康的なスタートが切れるようになりました。

そして何より大きいのは「心の余裕」です。お酒を飲んでいた頃は、疲れやストレスをアルコールで誤魔化していましたが、今はシラフの時間が増えたことで、自分の気持ちや体調とちゃんと向き合えるようになりました。イライラする日ももちろんありますが、その感情を食事や運動でコントロールできるようになったのは、自分にとって大きな成長でした。

禁酒は単なるダイエット法ではなく、生活習慣全体をリセットするきっかけになるんだと実感しました。お酒をやめるだけで、食事・睡眠・メンタルのバランスが整い、結果として健康的な自分に近づける。これは「30日間」という区切りを超えて、これから先も続けていきたいと思える変化でした。

まとめ──1ヶ月の体験

禁酒を1ヶ月続けてみて、正直に言えば「楽勝」ではありませんでした。最初の数日は頭痛やイライラといった離脱症状に悩まされ、2週間目には空腹との戦い、そして3週間目には飲み会の誘惑…。そのたびに心が揺れ動き、「やっぱりやめてしまおうか」と思った瞬間もありました。

それでも30日間を乗り越えられたのは、小さな変化が積み重なっていったからだと思います。朝の目覚めが軽くなったこと、体重や体脂肪の数字が少しずつ減ったこと、そして何より「お酒に頼らなくても自分はやっていける」と感じられたこと。その一つひとつが、自分を前に進ませてくれました。

ただ、正直な気持ちを言えば「一生禁酒!」とまでは思っていません。お酒自体を完全に悪いものだと決めつけるつもりはなく、誰かと楽しく飲む時間を大事にしたい気持ちもあります。でも、この1ヶ月を経て分かったのは、「日常的にお酒を習慣化しなくても、生活はむしろ豊かになる」ということでした。

これからは、“飲みたいから飲む”のではなく、“飲む必要があるかどうか”を考えて選べる自分でいたいと思っています。禁酒生活は、自分にとってただのダイエットや健康法ではなく、「生き方を少しアップデートする体験」になりました。

この経験を経て、次の一歩は“上手なお酒との付き合い方”を模索していくこと。飲まない日常の心地よさを知ってしまった今、これからの選択肢は以前よりもずっと広がったように感じています。

参考文献

  1. 彦根市立病院. 「知って得する病気の話_糖尿病とアルコールのはなし(糖尿病代謝内科)」. https://www.municipal-hp.hikone.shiga.jp/0000000506.html
  2. 国土交通省. 「飲酒に関する基礎教育資料」. https://www.mlit.go.jp/common/001314049.pdf
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット. 「アルコールと依存」. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-05-001.html
  4. 医療法人 ハートクリニック. 「アルコール離脱」. https://www.e-heartclinic.com/kokoro-info/special/mental_5.html
  5. ビール酒造組合. 「飲酒(ビール)の効用|食欲増進の効果」. https://www.brewers.or.jp/contents/koyo/koyo03.html
  6. 湘南吉田クリニック. 「飲酒(アルコール)とこころ」. https://shonan-yoshida-cl.jp/alcohol.html
  7. 医療法人社団TDC ららぽーと横浜クリニック. 「むくみの正体はなに?」. https://lala-clinic.jp/article.php/20230114095459506