なぜ“平日禁酒”を始めたのか?
正直に言うと、僕が平日禁酒を始めた理由は、「なんとなく体が重い」と感じる日が増えてきたからでした。朝起きても頭がぼんやりしていたり、日中の集中力がもたなかったり。30代に突入してから、週末だけじゃなく、平日にも晩酌をするようになっていて、気づけば毎晩のように缶ビールやハイボールを飲んでいる生活が当たり前になっていました。
最初は「仕事終わりの楽しみだし、ストレス解消になるならいいじゃん」と思っていたんですが、ふとある朝、鏡に映った自分の顔がむくんで見えて、「あれ、これって酒のせいじゃないか…?」と気づいたんです。
さらに、仕事のミスが微妙に増えていたり、資料の締切がギリギリになることが多くなったりして、自分でも「最近、キレが悪いな…」と感じていました。なのに、夜になると無意識に冷蔵庫の缶ビールに手を伸ばしてしまう。このループが、じわじわと自己嫌悪を生んでいきました。
あとで知ったのですが、アルコールは一時的に入眠を早める一方で、睡眠の後半に中途覚醒が増えたり、レム睡眠(REM=急速眼球運動睡眠)が抑制されて翌日の眠気や注意力低下につながりやすいことが知られています。[2][3]
そんな時、ネットで「平日禁酒」という言葉を見かけたんです。「完全に禁酒するんじゃなくて、土日は飲んでいい。平日だけ控える」──この“ゆるさ”が、自分にもできるかもと思わせてくれました。
「とりあえず1週間だけでもやってみよう」
そう思って始めた平日禁酒チャレンジが、まさか90日も続くとは…。この記事では、失敗も迷いも正直にシェアしていきたいと思います。禁酒を考えている方の参考になれば嬉しいです。

【1週間目】月曜の夜が一番キツい
平日禁酒チャレンジのスタートは、月曜日の夜でした。
正直、この初日が想像以上にキツかったです。仕事が終わって家に帰って、シャワーを浴びて、ふぅっとソファに腰掛けた瞬間──いつもなら無意識に冷蔵庫を開けてビールを取り出している時間です。そこで「あ、今日から飲まないんだった」と思い出し、冷蔵庫の前でしばらく立ち尽くしてしまいました。
「まあ、初日くらいはいいか」「週末から始めればよかったかも」なんて言い訳が頭をよぎります。でも、ここで妥協したらまた元通りだな…という気持ちもあって、とりあえず炭酸水を手に取りました。ビールグラスに注いで、氷も入れて、見た目だけでも“飲んでる感”を演出しながら飲んでみたんですが──全然満足できませんでした。
テレビを見ても、YouTubeを見ても、なんだか落ち着かない。お酒がないと、夜ってこんなに長かったんだなと痛感しました。
布団に入ったのはいつも通りの時間だったんですが、そこからがまた地獄。寝つきが悪くて、ゴロゴロと寝返りをうちながら「明日も仕事なのに…」と焦る気持ちがどんどん強くなっていきました。普段ならお酒の力で眠っていたんだなと、改めて実感した瞬間でした。
実は、飲酒をやめた直後は睡眠が一時的に乱れやすいことも報告されています(離脱期のレム睡眠“リバウンド”や中途覚醒の増加など)。[4]
結局、うとうとし始めたのは深夜2時過ぎ。翌朝は寝不足でフラフラ。でも、「この不快さを忘れたくない」と思って、眠い目をこすりながら日記にこう書きました。
「ここを越えなきゃ何も変わらない。」
この最初の夜を乗り越えられたことが、あとから振り返ると自信の第一歩になったように思います。

【2〜3週間目】アルコールの誘惑
平日禁酒を始めて2週間目に入ると、初週の「地獄の月曜」は乗り越えたものの、まだまだ習慣は根づいていませんでした。むしろこの時期は、誘惑との戦いが本格化してくる時期だった気がします。
特にキツかったのは、仕事でうまくいかなかった日です。クライアントから無茶な修正依頼が来たり、ミスを上司に指摘されたりした日の帰り道、コンビニの前を通ると、缶ビールの広告が目に飛び込んできます。もう、あのキンキンに冷えた銀色の缶が、やたらと輝いて見えるんです。
心の中で「今日は仕方ない」「こういう日は飲んでも許されるだろ」って言い訳が湧いてくるんですが、そこで立ち止まって考えました。
飲んだところで、明日の朝また自己嫌悪に陥るだけじゃないか?
その“飲んだあとの未来”を思い描くクセが、この時期にやっと身についてきました。それでも、感情に飲まれそうになる瞬間は何度もありました。そんなときに助けられたのが、「代わりの行動」を決めておくことでした。
僕は、炭酸水+レモン汁を常備するようにして、飲みたい衝動がきたらとりあえずそれを飲む。さらに、YouTubeで“禁酒モチベ動画”を観て、「自分だけじゃない」と思えるようにしていました。
ただ、正直に言うと…金曜の夜が一番の試練でした。週末が近づくと、「明日休みだし、もう飲んじゃえば?」って自分の中の悪魔がささやくんです。
でも、この頃になると、不思議と“飲んだあとのダルさ”を身体が思い出すようになってきて、「あの感覚には戻りたくない」と思えるようになっていました。
それが、平日禁酒が徐々に“我慢”から“選択”に変わっていった瞬間だったのかもしれません。
2〜3週間目は、いわば“心のデトックス期間”。今までどれだけアルコールに逃げてきたかを直視する時間でもありました。決してラクではなかったですが、自分の内側とちゃんと向き合えた大事な時間だったと思っています。

【1ヶ月経過】集中力の質が上がり、朝が変わった
平日禁酒を始めて、気づけば1ヶ月が経っていました。最初の頃の「飲まない夜の手持ち無沙汰」や「寝つきの悪さ」はだいぶ和らいできて、生活全体に“静かな変化”が訪れているのを感じ始めたのが、このタイミングでした。
なかでも一番大きかったのは、朝の感覚の違いです。
以前は、目覚ましが鳴ってもすぐに起きられず、ベッドの中でダラダラとスマホを見てから、なんとか重い体を引きずるように起きていました。朝食もギリギリ、仕事開始ギリギリ。とにかく「余裕ゼロの朝」でした。
でも今は、アラームの音でスッと目が覚める日が増えて、しかも頭がスッキリしているんです。なんというか、「脳に靄がかかっていない」感じ。
おかげで朝の支度に余裕が生まれ、簡単なストレッチをしたり、前日のToDoを軽く整理したりするようになりました。
そしてこの“朝の余裕”が、日中の仕事に直結してきます。
メールの返信や資料作成のスピードが上がった実感があって、今までなら午後には集中力が切れていたのが、16時くらいまで割とシャキッと動けるんです。これは自分でも驚きました。
とくに感じたのは、「注意力が散らからなくなった」こと。
Slackの通知に振り回されたり、ついSNSを開いてしまったりする頻度が明らかに減って、「今、目の前のタスクに集中する」という感覚が戻ってきた気がします。
飲酒の翌日は、注意・記憶・実行機能(実行機能=目標達成のために注意配分や作業記憶をコントロールする認知機能)の低下が報告されています。量を減らすことで、こうした“二日酔い由来の見えにくい損失”が起きにくくなるのは理にかなっています。[5]
この1ヶ月で、飲まない平日が“当たり前の選択肢”に変わり始めた感覚があります。最初は我慢だった禁酒が、今では「得してるな」と思えるようになってきました。
“飲まない=制限”ではなく、“飲まない=余裕が生まれる”っていう、新しい価値観に出会えた気がしています。

【2ヶ月目】仕事のパフォーマンスに起きた明確な変化
平日禁酒を始めて2ヶ月目に入った頃、自分でも驚くくらい仕事のパフォーマンスが上がっている実感がありました。しかも、「なんか最近、調子いいな」レベルじゃなくて、明らかに“数値”で見える変化があったんです。
たとえば、毎週提出している報告書や資料の仕上がりに対して、上司からのフィードバックが激減しました。以前は細かい修正依頼や「もう少し深掘りして」といった指摘があったのに、この頃からは「対応早かったね」と言ってもらえることが増えました。
自分でも、資料作成中に“ゾーンに入る”時間が明らかに長くなっていて、特に午前中は驚くほどスムーズ。お酒を飲んでいた頃は、午前はエンジンがかかるまでボーっとしてたんですが、今は9時からガンガン集中できます。
それに加えて、記憶力や言葉のキレも良くなったように感じています。会議で発言するとき、以前は言葉が詰まって焦ることも多かったのですが、今はスラスラと説明できることが増え、自分でも「あれ、自分こんなに頭回る人だったっけ?」と思うほどです。
あと個人的に面白かったのが、「細かいイライラが減った」こと。
以前なら、ちょっとしたメールの文面でカチンときたり、電話の内容にモヤモヤしていたのに、今は「まぁいっか」「それよりタスク進めよう」って、感情の切り替えがうまくなってきた気がします。
これはたぶん、禁酒によって睡眠の質が上がり、脳の回復がちゃんとできているからじゃないかと自分では分析しています。アルコールは睡眠アーキテクチャ(睡眠を構成する各段階の配分)を乱し、前半の深睡眠を増やす一方で後半のレム睡眠を抑制・分断することが指摘されています。[2][3]
さらに、重い飲酒やアルコール使用障害では欠勤日数の増加など労働生産性への影響も報告があります(自分はそこまでではないにせよ、「飲まない平日」が積み重なることで仕事の安定感が高まった実感はありました)。[6]
まさか「酒をやめたら、ここまで仕事が楽になる」とは思っていなかったので、半信半疑だった自分に「おい、見ただろ?」って言ってやりたいです(笑)。
この2ヶ月目を境に、「もう前の自分には戻りたくないな」と思えるようになりました。禁酒が“自分を縛る制限”ではなく、“自分の能力を引き出す武器”なんだと確信できた時期でした。

【3ヶ月目】自己肯定感の回復
平日禁酒を始めて3ヶ月目。ここまでくると、「飲まないこと」が完全に生活の一部になっていました。最初の頃は“我慢”だったのが、今では“自然な選択”に変わった感じです。そして、この頃から特に感じるようになったのが、メンタル面の安定です。
以前は仕事で嫌なことがあると、家に帰ってお酒を飲んで気を紛らわせることが習慣でした。ストレスをごまかす手段として、アルコールに頼っていたんだと思います。でも、飲まなくなってからは、その「逃げ場」がなくなったことで、ちゃんと自分の感情と向き合うようになったんです。
たとえば、落ち込むことがあっても、「まぁ、こういう日もある」と自然に思えるようになったり。焦ったりイライラしたりする場面でも、感情が長く尾を引かなくなったり。「自分の感情を俯瞰できる力」が少しずつついてきたような感覚があります。
また、自己肯定感が明らかに回復していることにも気づきました。
以前の僕は、毎晩のようにお酒を飲んでは「また飲んじゃったな…」と自己嫌悪に陥る、という負のループにハマっていました。でも、今は「今日も飲まずに乗り切れた」「朝からちゃんと動けてる」という小さな成功体験を積み重ねることで、自信がついてきたんです。
その影響か、姿勢も変わってきました。鏡に映る自分の顔が、どことなくシャープになっていて、なんだか目の力も戻ってきた気がします(笑)。
アルコールは気分を一時的に上げる一方、過量・習慣化は不安や抑うつの悪化と関連することが示されています。[7]
平日禁酒を通じて感じたのは、お酒をやめたこと自体が目的じゃなくて、その先にある“本来の自分”を取り戻すことこそが、最大の価値なんだなということ。
3ヶ月経って思うのは、「もっと早く始めていればよかった」というシンプルな一言に尽きます。自分を大事にできている感覚が、日々の暮らしにじんわりと広がっていく──そんな穏やかな変化が、今はとても心地いいです。

禁酒中の飲み会 付き合いと断り方
平日禁酒を始めてから、いちばん困ったのはやっぱり“飲み会問題”でした。とくに会社の同僚や友人との付き合いは、断りにくい場面も多くて、最初はかなり神経を使いました。
まず、最初の1ヶ月は「極力予定を入れない」作戦で乗り切りました。誘われたら「今ちょっと体調整えててさ、また落ち着いたら行こう!」と、あくまで前向きな感じで断るようにしていました。これが意外と効きました。ネガティブに断るよりも、「また誘ってね」という姿勢を見せると、相手も嫌な気持ちにはならないみたいです。
ただ、どうしても断れない飲み会もありました。たとえば、上司主催の送別会や、長く付き合いのある友人の集まりなど。そういうときは、“最初から飲まない宣言”をして参加するようにしました。
「最近ちょっと平日は控えるようにしてて!」と、サラッと言うだけで、意外と周囲は気にしません。むしろ「えらいね」「俺もやらなきゃ」と言われることもあって驚きました。昔の自分なら「飲まないとノリが悪いと思われるんじゃ…」と不安でしたが、いざやってみるとそんなことは全然なかったです。
ドリンクはノンアルビールを注文して、乾杯だけはしっかりと。雰囲気にはちゃんと参加しつつ、自分のルールも守る──このスタンスが、自分にとって一番ラクでした。
それでもやっぱり「飲めよ〜!」と勧めてくるタイプの人も一定数います。そういうときは、「今日はこのあとジムなんで!」とか「今、ちょっと体リセット中なんです」と、“目標がある感”を出すと、かなり角が立たずに断れました。
ちなみに、飲み会の席でしらふでいると、周りの酔っ払いのテンションが冷静に見えて面白いという副産物も(笑)。「あ、自分もあんな風だったのかも」と気づくきっかけにもなりました。
なお、日本の公的ガイドラインでも「無理に飲酒をすすめない」「体質や体調に応じて量を控える」といった配慮が重視されています。飲む・飲まないの選択は各人の健康と安全が最優先です。[1]

飲まない平日の“代替習慣”とは?
平日禁酒を始めて最初に感じたのは、「夜って意外と長いな…」ということでした。それまでは、仕事が終わってご飯を食べて、お酒を飲んでダラダラして寝る、という一連の流れが出来上がっていたので、お酒をやめた途端に夜の時間の使い方が完全に空白になってしまったんです。
このままだとまたお酒に戻ってしまうな…と思って、意識的に“代わりの習慣”をいくつか取り入れることにしました。
まず試したのが、「炭酸水タイム」。これ、地味なんですが効果大です。冷蔵庫に常備しておいて、夜になったらお気に入りのグラスに注ぎ、レモン汁を少し足して飲むだけ。グラスに氷を入れることで“飲んでる感”が出るので、習慣として定着しやすかったです。
そして、次に取り入れたのが「軽い運動+シャワー」。
筋トレとまではいかなくても、YouTubeで10分程度のストレッチ動画を流して身体をほぐす。それだけで頭がスッキリして、自然と「お風呂に入ってさっぱりしよう」という流れができました。
特にお酒を飲まないと、体が軽く感じるので、運動のハードルも低くなるんですよね。
しかも運動後に熱めのシャワーを浴びると、心地よい疲れが残って、そのままスムーズに眠れるという好循環ができあがりました。
さらに、読書や音声コンテンツにも手を伸ばしました。以前なら「文字なんて読む気になれない」と思っていたのに、不思議と本を手に取る気力が湧いてきたんです。僕の場合は、自己啓発やビジネス書を読みながら、「飲んでた時間が、いつの間にか“自分を育てる時間”に変わってる…」と実感するようになりました。
最後に紹介したいのが、「夜日記」。
一日を振り返って、よかったこと、できたこと、ちょっと反省したことを書き出す。これをやるだけで、気持ちが整理されて、翌朝も前向きにスタートできるようになりました。
参考までに、日本のガイドラインでは健康管理のために「純アルコール量」(飲み物に含まれるエタノールだけの量。目安式:容量×アルコール度数×0.8でグラム換算)を把握する方法が示されています。飲まない日を設ける・量を減らすなど、少ないほど健康リスクは下がるという考え方です。[1]

禁酒のデメリット・きつかった場面
ここまで読んでくださった方は、「禁酒ってすごくいいことづくめじゃん!」と思われるかもしれません。でも、正直に言います。楽しいことばかりではありませんでした。やっぱりそれなりに“きつい瞬間”や“失ったもの”もあったんです。
まず最初に感じたのは、「孤独感」です。
特に最初の1ヶ月間は、飲み会やちょっとした誘いを避けていたので、夜に一人でいる時間が増えました。今までなら「とりあえずビールでも飲んで気を紛らわそう」ってできていたけど、それができない分、感情がダイレクトにのしかかってくる感じでした。寂しさや不安がむき出しになるんですよね。
次に地味にきつかったのが、「飲んでる人との温度差」です。
たとえば、会社の懇親会や友人との集まりで、自分だけノンアルだとテンションの差を強く感じることがあります。場が盛り上がっていくにつれて、だんだん話についていけなくなる感覚というか…。「場にいるのに、少しだけ外にいるような気分になる」という瞬間が、何度かありました。
あと、“飲まないことで時間が増えすぎる問題”もありました。
お酒を飲んでいた頃は、夜ってあっという間に終わっていたのに、禁酒すると時間がすごく長く感じるんです。最初のうちは「何をして過ごせばいいのか分からない」「この時間を埋めなきゃ」って、逆にプレッシャーを感じることもありました。
そして最後に、あえて言うなら…「楽しみがひとつ減った感覚」。
仕事が終わった後の“ご褒美ビール”って、やっぱりテンション上がるんですよね。その瞬間がないことで、「今日は何を楽しみに頑張ればいいんだろう?」と思うことがあったのも事実です。
でも、こうした“きつさ”や“デメリット”を感じたからこそ、そこをどう乗り越えるかを考えるきっかけにもなりました。
言い換えれば、「自分と向き合う時間を持てた」ということでもあると思っています。
禁酒を考えている方には、こういったリアルな側面もぜひ知っておいてほしいです。いいこともあれば、ツラいこともある。でも、それを乗り越えた先に、意外と静かで心地いい“新しい日常”が待っていました。

平日禁酒90日で得た“思考のクリアさ”と新しい自分
90日間の平日禁酒を振り返ってみて、一番大きな変化は何かと聞かれたら、間違いなく「思考のクリアさ」だと思います。これは、始める前にはまったく想像していなかった効果でした。
お酒を飲んでいた頃は、1日の終わりにちょっと酔っ払って、ぼんやりと過ごして、眠気にまかせて寝る──という流れが当たり前だったんですが、禁酒を始めてからは、その“ぼんやりゾーン”が丸ごと消えた感覚がありました。
夜がクリアになり、朝が冴えて、日中の集中力が上がる。
しかもそれが、毎日安定して続くようになる。
結果として、思考が整理され、感情も穏やかになり、自分自身を客観視できるようになったんです。
驚いたのは、日常の“選択の質”まで変わったこと。
以前なら、仕事の後は「疲れたし何もしたくない」となっていたのが、今では「ちょっと本読んでみよう」「簡単な運動でもしてみるか」と、自分にとって良い選択ができるようになってきました。これは、小さな成功体験を積み重ねた結果だと思っています。
また、禁酒を通じて得た“自分に対する信頼感”も大きな収穫でした。
「自分って、ちゃんと変われるんだ」「意思で習慣は変えられるんだ」と実感できたことで、禁酒だけでなく、他のことにも前向きに取り組む気持ちが生まれました。
もちろん、辛い夜もありましたし、飲みたい気持ちを必死でこらえた場面もありました。でも、それを乗り越えたからこそ見えた景色がある。それが“新しい自分”だったんだと思います。
健康の観点では、アルコールの健康リスクは少量でもゼロにはならず、少ないほど望ましいという公的見解が示されています。自分の選択と体調に合わせて、飲まない日の継続や量のコントロールを続けていきたいです。[8][9]
平日禁酒90日。たった3ヶ月ですが、僕にとっては人生の節目になるような貴重な体験でした。
もしあなたが、少しでも「変わりたい」と思っているのなら──ほんの少しの勇気で、きっと世界は変わります。僕がそうだったように。
参考文献
- 厚生労働省. 健康づくりのためのアルコールの適切な摂取に関するガイドライン(2024)(純アルコール量の計算式・飲酒に関する配慮事項 など)。
- Ebrahim IO, et al. Alcohol and Sleep I: Effects on Normal Sleep. Alcohol Clin Exp Res. 2013.
- Roehrs T, Roth T. Sleep, Sleepiness, and Alcohol Use. Alcohol Res Health. 2001.
- Brower KJ. Alcohol’s Effects on Sleep in Alcoholics. Alcohol Res Health. 2001.
- Scholey A, et al. Effects of alcohol hangover on cognition and mood. Hum Psychopharmacol. 2019.
- Parsley IC, et al. Association Between Workplace Absenteeism and Alcohol Use Disorder From the National Survey on Drug Use and Health, 2015–2019. JAMA Netw Open. 2022.
- Royal College of Psychiatrists. Alcohol, mental health and the brain.(アルコールと不安・抑うつの関係の概説)。
- WHO Europe. No level of alcohol consumption is safe for our health. 2023.
- WHO. Alcohol – Fact sheet. 2024(「リスクゼロの飲酒は存在しない」等)。
- NIAAA. Rethinking Drinking: Alcohol & Your Health(減酒・禁酒のための自己管理ツール)。